2008年02月19日

空気をつくる名人芸

電車にのって、
思わずニヤニヤしてしまい、
あわてました。

いい女がいたわけじゃないよ。



落語を聞いていたのです。

 「古今亭志ん生」

昭和の名人といわれた人の
CDを聞いていて、
あまりの巧さにビックリしたのです。

ものすごい落語好き、というわけではないですけれど、
時折テレビの落語なんか観たりしています。
昔はテレビの仲間に「笑点」をやっているディレクターがいて、

 「この人は聞いておいた方が良いよ!」

といわれ、
桂米朝や枝雀を見に行ったりしました。
おもしろかったなあー。

「古今亭志ん生」は
ボクの歳ではもうナマを観た人は
少ないのかもしれませんが、
とにかく巧かったと評判の高い人です。
特に人情話はピカイチといわれています。

ぼくが聞いたのも、
「芝浜」というお話で、
長屋に住む酒好きの熊さんと女房の話。
まじめなんだが酒が好きで借金ばかりこさえている熊さんと
それを支える出来た女房の、いい話です。

昭和30年だかのかなり古い録音で
音もけして良くはありません。
当然、映像もないのですが、
志ん生の独特のしゃべりのなかに、
ありありとその情景が浮かんできます。
何気ない間もたくさんあるんですが、
観衆の笑い声が聞こえ、
きっといい顔をしているんでしょうね、
見えないけれどすごく想像してしまう。
話が進むにつれ、
その長屋の夫婦の世界に引きずり込まれ、
目の前であったことを聞いている気になってきました。
市井の人々の気持ちというか、
心の中に触れた気がして、
話がおわったときは、

 「いい話きいたなあー」

と、実話を聞いたような錯覚さえ
覚えました。
これって、すごいことですよねえ。

この話も30分近くあったのですが、
そんな長さをまったく感じさせない、
駅を乗り過ごしそうになるほど、
素晴らしい話芸でした。

声だけでしたけれど、
やっぱり噺家の
この「空気を作ってしまう」才能って、
俳優さんにも共通して言える気がしました。
演技の場合は一人ではなく、
数名によるアンサンブルということが
個人芸である落語とは違いますが、
「作品世界の空気」を実在させることが
お客さんを楽しませる大切な要素である、
そう思いました。

こうなると、
寄席にいって
ナマで落語を聞きたくなりますね。
今度の休みには、
末広亭でもいってみようかしら、
と本気で考えています。

ちなみに。
古今亭志ん生の孫娘が池波志乃さん、
中尾彬さんの奥さんですよ。
どーでもいいか。




posted by che Katsuto at 11:17| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・映画音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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