2009年06月18日

フィルムには手を出すなって?

万が一ですよ。
万が一、
映画祭の招待を受けることになったら、
どうなるか。
とらぬ狸の皮算用もいいとこですけど。

そうなったらうれしいこと、このうえなし。
なんですが、
大きな難関がひとつ。


 「35ミリプリントを用意してください」

レギュレーションの一文が、
とてつもなく高いハードルだったりしてます。

最近ではビデオテープであるHD-CAMでもおっけ、
というところも増えてきたそうですが、
やはり映写機の関係でしょうか、
まだまだフィルムが大半のようです。

いちおー、調べてみると、
これがもう大変なお金がかかること!

 「今回の作品が105分ですから、ネガをおこすのに、
  400万から500万ぐらいでしょうか」
 
は?
製作費じゃないよ?

目がテン、とはこのことです。
フィルムの場合、
スチール写真のフィルムと同じで、
まずネガを作ります。
今回はデジタル素材からネガを焼くことになります。
それだけに、そんなにお金がかかる。
東映の営業のかたの言葉に、しばし絶句です。

 「そのうえでのポジ焼きということになります」
 「それは…また別料金ですか?」
 「ネガほど高くはありませんが、それでも数十万はかかります」

ありえないし!
フィルムって、なんでそんなに高いの!?
声が裏返っちゃったりしました。

 「その前に、音も音ネガというものを作らねばなりません」
 「なんですか、それ?」
 「もう一度、フィルムネガ用に音をミックスをし直して、
  音用のネガを作らねばなりません」
 「そ、それも…別料金…?」
 「東京テレビセンターさんで作ることになると思いますが、
  おそらく数百万かかるでしょう」

がちょーん。
顔が青ざめます。真っ青です。

 「現地の言葉の字幕を入れるなら、また翻訳やプリントも
  それぞれ別に作ることになるでしょう」

営業の方の言葉が、遥か遠くに聞こえます。
足下がグラグラです。

気が遠くなる寸前、ひとつのアイディアが。

 「今、円高だからアメリカとか韓国でやれば安いんじゃない?」

ナイス・アイディア!
さっそく問い合わせてみました。

が。

 「一分およそ550ドルだそうで、全部で57000ドルぐらいですって」
 「た、高いじゃん!?」
 「交渉次第で安くはしてくれるみたいですけど」

安くっていったって、
まさか半額になる訳じゃなし、
渡航費や滞在費、手間を考えれば、
日本でやった方がいいじゃないの。

 「とにかく、フィルム化については、公開が決まり
  何館でやるかが決まってからでも遅くはないでしょう?
  館が増えれば、単価を下げることができるわけですから」

とかくムボーになりがちなぼくたちを心配して、
東映の営業の方は
フィルム化を待つように進言してくださいました。

 「映画祭でも招待を受けながら、お金がなくて辞退する映画も
  たくさんあるそうですよ」

たくさんの人に見てもらいたいけれど、
目の前の現実は果てなく高い壁。
フィルムには憧れるけれど、
貧乏人には手の届かない世界であることを痛感しました。
それだけのお金をかけて、
お客さんが入らなかったら、
とてつもない負債が残るわけです。

映画がリスキーなビジネスであることを、
肌身で感じました。
今、公開されている映画も、
その経費を回収するために、
いろいろな方策をとる理由がわかります。
いったい、僕らの映画は、
どうなってしまうのでしょう?

その前に。
万が一、万が一、映画祭に招待されたら、
ほんと、どうしよう…。



posted by che Katsuto at 16:21| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 上映活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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