2009年05月29日

この映画の「企画意図」って…

4、5ページ目の見開きは
ディレクターステイトメントを
載せました。

これは作品の企画意図、
作った動機を述べたものです。

press03
(クリックで大きくなりますよ)

出し惜しみするつもりはないのですが、
まだ読んでいただかない方が、
作品を楽しんでいただけると思い伏せました。

このたびこうしたパンフの製作や、
海外の映画祭に向けての準備の中で、
素晴らしい女性と巡り会うことができました。

Iさんは長い間、日本の映画を海の外に向けて
紹介していくというお仕事をされてこられた方で、
翻訳の後藤さんを紹介してくださったのも
Iさんでした。

 「ステイトメントは簡潔にまとめましょう」

ボクの作ったステイトメントやシノプシスでは
まだ長すぎるし、読んでもらえない。
Iさんは原稿を実に要領よくまとめて、
分かり易い言葉に推敲をしてくれました。
これまでたくさんの映画に関わってこられ、
どうすれば映画祭のディレクターやプレスの興味を
惹くことができるかをよくご存知です。

 「まずは見てもらわないとね」

日本でも毎年、たくさんの映画が作られ、
たくさんの作品が海外へ輸出されています。
Iさんはそのコーディネーターを続けてこられました。

 「年間でどのくらいの新作を見るんですか?」
 「そうですねえ、200本超えるぐらいかなあ」
 「200本!? 全部見るんですか?」
 「映画祭のディレクターの中には、頭しか見ない人も
  いるみたいだけど、私は最後まで全部見ます」

映画祭の中には、選考者が来日し、
候補になった作品を数日間かけてみるのこともあるそうです。
その時は、Iさんも予備選考を行い、
作品数を絞るのだそうです。

 「そのためにも自分はしっかり見ておかないと」

海外の映画祭の事情に詳しい、そんなIさんに、
ぼくは以前から、
気になっていたことをたずねてみました。

 「最近の日本映画はどう評価されているんですか?」

黒澤明や小津安二郎は高く評価されているのでしょうが、
最近の映画や監督はどうなのか、興味がありました。

 「もちろん評価の高い監督や映画はありますけど、
  そうじて日本映画は『幼い』と見られているみたい」
 「幼い?」
 「ええ。子どもっぽい、未熟」

ウーム。
たけしさんや宮崎駿、黒沢清監督など
すごく評価の高い人もたくさんいるけれど、
大きな印象は『幼い』。

 「じゃ、成熟って何でしょう?」

ぼくは思わず聞きました。
Iさんはしばし考えて。

 「何でしょうね…私にもわからないけど、
  描かれるテーマの多くが、身の回りの小さな世界だけで
  完結している印象があるんじゃないかしら」

ふー。
重たい一言でありました。
それが悪い訳ではないけれど、
受け取る相手は『幼い』と思っているわけです。

 「ぼくの映画はどうでしょうね?」

つい聞きますよ、やっぱり。

 「それは相手がなんと感じるかで、私にもわかりません」

そりゃそうですよね。
ま、その話をお聞きして、
監督の意図というディレクターステイトメントは
少々固い内容になってしまいました。
Iさんがわかり易い文章に直してくれましたけど。

映画作りって、
準備、撮影の段階からいろんな人と出会い、
次に移るとまた違う人に出会います。
それぞれが専門の人ばかりで、
出会うたびに大きな刺激と経験を与えてくれます。
Iさんとの出会いもこれまでの自分にはなかった
貴重な経験をさせていただいている、
そんな気がしています。

 「いい写真選びましたね。文章に合ってますね」

と、Iさんに褒められた、このパンフ。
文章を読ませられなくて申し訳ないけど、
次回は
プロダクションノート。




  
  

  
posted by che Katsuto at 02:39| 東京 ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | 配給・宣伝活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
監督さんっ♪
こんな風に 監督さんの想いや 出会ってこられた素晴らしい方々の紹介 いろんな苦労話でさえ この映画に携わる人と人との 
つながりや 出会いの不思議 そして一緒の目的に向かっての連帯感など
人と人とのきずな って事 改めて
感じています

映画って モノ作りって 
本当に 素晴らしいですね♪
これも 監督さんのあつ〜〜い想いから
出発している事ですから
これからも そのあつ〜〜い想いで
きっと きっと 切り開いていける!
と信じています

あっ それから 写真のUPありがとうございます どれも とっても美しいですね♪ 
Posted by きんきん at 2009年05月29日 21:50
コーディネーターのIさんが参加されて本格的に国際映画祭出品を目指すのですね。
すると日本での公開はもう少し先になるのでしょうか?
待ち遠しいですが、まずは映画祭での大好評をお祈りしています。
頑張ってください!
Posted by 龍粒 at 2009年05月29日 23:40
>きんきんさん
本当に映画というのは、たくさんの人に支えられて公開にいたるのだと実感しています。
でもやっぱり何よりもお客さんがすべてだと思います。ぼくたちはスクリーンを観るお客さんにむけて作っているのですから。
よく芸能の神様のお力を、と願うことがありますが、ぼくはその神様はお客さんの中にいるような気がしてなりません。

>龍粒さん
ぼくらのような実績も名もない人間にとって、かかわってくれる人の存在は本当にありがたく、感謝しています。
映画祭での合否は運まかせですが、ここまでの作業は力一杯やっていきたいと思います。公開がいつになるかまだ見えていませんが、どうぞ最後までおつきあいくださると、うれしいです。
Posted by che cobara at 2009年05月30日 18:06
「幼い」というのは衝撃的でありながら、何か心のどこかでわかっていて恐れていた言葉のようで...やっぱり...という感じはいなめません...。

Iさんと表現は違いますが...僕は日本人はストレートな表現を嫌う気がしてなりません。ダイレクトにGeneral Truthを大声で叫ぶのが恥ずかしいことであるかのように、比喩的な表現を好み、カメラワークにしても、王道と言われているものをあえて避ける事を好む傾向があるように思います。その結果、海外の方には難解にうつるのではないでしょうか...。

えらそうな事言ってすみません。
Posted by 黒石信淵 at 2009年06月02日 17:56
>黒石さん
ぼくも同じことを感じることがあります。
良い悪いの尺度ではありませんが、映画の持つ力を作り手である自分たちがどう捉えているか、という視座みたいなものを意識するか否か、で表現方法も変わる気がします。
婉曲な表現も嫌いではないです。しかし、あくまで「観客」あっての表現ですから王道を知り尽くした上での、という但し書きも必要だろうと思うのです。
ぼくもエラそうなこといちゃいまして、すみません。今度、飲んだときにでも語り合いますか(笑)。
Posted by che cobara at 2009年06月03日 02:10
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