2009年05月24日

英題は"The Neighbor"

英語の字幕をつくるにあたり、
サンフランシスコ育ちの後藤太郎さんに
お願いをしました。

どうしても翻訳については、


ネイティブスピーカーであり、
なおかつ映画をよく知っている方に
お願いしたいと思っていました。

画面の中で話している言葉の時間は、
大変短いものです。
その中に読める量の文字数で翻訳をまとめ、
さらにはニュアンスを正しく伝える言葉でなくてはなりません。

後藤さんから上がってきた翻訳は、
ぼくが想像した英語とはちがうものでした。
ぼくの頭の中は直訳しかありませんから。

 「こういう言い回しをするんですねえ」
 「ストーリーを理解させることがまず重要なんです」

日本人にはわかる物言いも、
外国の人には意味がわかりにくいということは
多々あるそうです。
そこを映画のもっている雰囲気を壊さず、
最小限の文字で伝え、
背景を感じさせねばなりません。
たかだか数ワードの単語で、それをやるのですから、
これって才能だ、と感心しました。

テレビ番組のコーディネターや映画祭のスタッフをつとめていた
後藤さんはサンフランシスコ生まれで、
基本的には英語で育ったそうです。
家の中では日本語を使ったそうですが、
大学生の時、もっと日本語を勉強しようと
日本に留学していたとか。
言葉というのは簡単に訳せるものではなく、
言葉の背景にある文化を知らないと、
きっとうまく訳せないのです。

この「369のメトシエラ」は、
そういった意味では背景にあるものがかなり日本的で、
苦労されたのではないかと思いましたが、
後藤さんは本当に上手に訳してくれました。
日本語のセリフをそのまま訳すより、
あえて変えて表現するほうが、
観客に伝えやすいこともたくさんあるのです。

そのことをふまえ、
タイトルも変えることにしました。
これは僕がお願いしたのですが、
邦題の「369のメトシエラ」は日本向きなタイトルで、
海外にはむかないのではないかと感じました。
悪く云えば、あいまい、な感じがするのです。

 「”neighbor”という単語使えませんか?」

その提案に、後藤さんも同意してくれ、
いくつか”neighbor”をつかったタイトルを
あげていきました。

 「作品のテーマや世界観を考えると、
  ほかの言葉は使わずに"The Neighbor"だけの方がいいですね」

というわけで、
英語タイトルは

 「The Neighbor」

に決定。

自分で決めておきながら、
英語のタイトルを眺めていると、
なんか違う映画みたいな気がして、
妙な気分。




posted by che Katsuto at 08:43| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 配給・宣伝活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「 The Neighbor」…そっか〜♪

新しい扉が ひとつ また ひとつと
開いて 新しい世界が
ひろがっていく感じしますね♪
Posted by きんきん at 2009年05月24日 13:42
>きんきんさん
タイトルひとつとっても、文化の違いってあるんですよね。その言葉がその国の人々に与えている影響って、すごく違う。
翻訳って、完璧な訳は存在せず、いかに近い意味を探せ、置き換えられるかという作業なのかもしれません。それを生業にしている人の労力には頭が下がります。
Posted by che cobara at 2009年05月27日 02:01
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