2009年05月20日

試写室を探しています

新宿に新しい上映施設ができるというので、
見学に行きました。
施設と云っても通常の映画館ではなく、
試写専門の施設です。

席数も30あまり、

スクリーンサイズも120インチぐらいのもので、
関係者などが試写に使うにはちょうど良い大きさです。

アメリカでは

 スクリーニングルーム

と呼ばれて、
ロスあたりにはたくさんあるそうです。
日本ではまだ数は多くなく、
映画会社の専用の施設だったりして、
ぼくらのような独立系の映画は試写の会場さがしも
苦労のひとつでした。
また最近はデジタルカメラでの撮影から、
仕上げまでがデジタルテープで行う作品が多くなってきたわりには、
試写室がフィルムの映写機しかない、という所も多く、
本当に会場選びは大変なのです。

今回見学させていただいたところは、
デジタル上映に特化しており、
まさにぼくらにはうってつけの会場でした。
これまでは東映ラボテックの試写室をお借りしていたのですが、
いつまでも借りるわけにもいきませんし、
若干都心から離れていることもあって、
よいところがないか探していました。

この

 「TMシアター新宿」

は、新宿駅からも近く、
お招きしたい方にも案内しやすいことに惹かれました。

ただひとつの問題は、
再生フォーマット。
数年前まで映画と云えば、フィルムと決まっていました。
それも35ミリか16ミリで済んだのですが、
現在はデジタルテープ、またはハードディスク。
ところがそれぞれフォーマットがたくさんあって、
何がソースなのかでかかる、かからないが分かれてしまいます。

今回ボクたちの映画は、

 HDCAMーSR

というテープ/フォーマットがマスター素材なのですが、
このほかにもテープのフォーマットが
HDVだのミニDVだの、
DVD、ブルーレイ、デジタルベータだの、たくさんある。
会場によってどれが可能なのかを聞き、
それにあったものでないといけないわけです。
もとの映像はHDCAM-SR、いわゆるフルハイヴィジョン。
かなり絵がきれいですね、と云われているのですが、
その状態ではかけられるところが少ない。
だから、他のフォーマットにコンバートしなければなりません。

 「で、結局どうすればいいんだ?」

絵は劣化させずにできるだけ良い状態で観てほしいけれど、
フォーマットはダウンコンバートせねばならず、
可能な限りよいものはどれか…
それも他の会場でかける場合も流用しなければ、
その都度コンバートしていると
お金がいくらあっても足りない…

技術の進歩がめまぐるしく進んでいるので、
会場も何を揃えればいいのか、
選択が大変な時代、まさに過渡期です。

新宿という場所で試写会が行えるのはステキですけど、
上映素材をどうしたものか、
悩ましい限りです。
フィルムであれば、こんな悩みもないのでしょうけど。

 「じゃ、フィルムにすればいいじゃん」

結論的にはそれが一番簡単で、わかりやすい。
でも。
フィルムだともっと根本的な問題、

 「お金がすごくかかる!」

が、立ち塞がってまして…。

まー、お金のない映画作りって、
作り終わったあとも、
ずーっと大変ですわい。



posted by che Katsuto at 00:01| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 上映活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
自主映画の世界も先日まではDVで十分だったのに、HDで撮らねばならぬという時代の要求に悩んでいる最中です。カメラをはじめ、ハードディスクも…何もかも、せちがらい世の中です。小規模とはいえ、試写室が増えるというのはありがたいですね。もっと広く開放してほしいです。
Posted by 遊山 at 2009年05月20日 10:59
大変なことが いっぱいあるのですね
でも でも 新宿で試写会の可能性?
具体的なことが 出てきて
嬉しいです
Posted by きんきん at 2009年05月20日 20:26
英語字幕のプリントが焼けるのが一番ですが、テープで最上の上映をするには、現状のSRが一番です。おそらくテープの最終型、これ以上のテープはもうでないと思われます。DLP映写機にはHD-SDI入力があるでしょうから、デッキを持ち込めばいいのですが、SRのポータブルデッキでもレンタルは7万/1日します...。そうなると、HD-CAMでしょうか。圧縮比はSRよりも高くなりますが、もちろんフルHDです。デッキはレンタルしても安いうえに、たいがいの試写室にあるんじゃないでしょうか。
場所の利便性は大事だと思いますが、最低限HDでの上映環境は整えたほうがよいのではないでしょうか。150インチならば、大体2.5m X 3mぐらいでしょうから、SDだとかなり画質のアラが見えると思います...。もはや「インパクトがうすい」という次元ではなく、「ああ、この程度ね...」なんて思われると心外ですよね...。
Posted by 黒石信淵 at 2009年05月20日 23:42
>遊山さん
自主で映画を作るということは、本当にエラいこと大変ですよね。機材ひとつにしても、先の先まで考えねば上映したくてもできないことになったりする。
ただデジタル化のおかげで、撮影も編集も敷居が低くなってきたので、あと数年後には、質のよい試写室も増えてくるかもしれません。
はやくそうなるといいですね。

>きんきんさん
一日も早く、公開がきまるといいのですが…。こうした試写も営業活動のひとつですから、なかなか気が抜けません。ほんと、はやく公開を決めたいです。

>黒石さん
まさに痛し痒しなのです。利便性や汎用性をとれば、クオリティに眼をつぶらねばならない。でもクオリティが観客にとって強いインパクトを与える大切な要素であることも事実。実際、映像のクオリティだけは東映の試写をご覧になった方々の予想を上回るものであったようですから、本当にクオリティは落としたくないのですが…。
本当に悩みどころです…。
Posted by che cobara at 2009年05月21日 11:40
はじめまして。映画館で映写をしている者です。検索で偶然たどりつきました。

私の勤務している劇場はメイン機材は35mmですがビデオ上映のシステムも備えています。素材としてはBlu-ray、DVD、BETACAM(DIGITAL BETACAM)に対応しています。プロジェクターがHD対応機材ではないのでどうしてもダウンコンバートした映像になってしまうのはいつも心苦しく思っているところです。やはり作り手の意図した品質を忠実に再現したいものです。通常興行のほか、劇場レンタルも行っております。また機会がございましたらご連絡ください。

現像所にいたこともありましたがプリントを焼くのは本当にお金がかかります。作品によっては35mmプリント1本を作るコストが制作費以上かかることもあると思います。現像所と劇場と形は違えど作り手の結晶を扱っている身としては、制作者も観客も満足のいく環境を提供していけたらなって思います。

長々と失礼いたしました。
制作頑張ってください!
Posted by T at 2009年06月20日 22:54
>Tさん
コメント、ありがとうございました!
劇場の方からのご意見はあまりうかがう機会がないので、とてもありがたいです。
実際、映写の機械も安いものではありませんから、ご胸中はご察しいたします。よりよいものを提供したいという気持ちは同じながら、それを思い通りにできない歯痒さは同じなんですね。
そうしたお話がいただけただけでも、本当にうれしいです。ぜひ僕たちの映画も、Tさんの劇場でかけていただけるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします!
お仕事、頑張ってください!
Posted by che cobara at 2009年06月22日 13:25
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/119836107

この記事へのトラックバック